神奈川大学工学部経営工学科 経営システム工学研究室

RESEARCH 研究内容

多様化する時代に応える、
先進的な問題解決を目指す

情報通信技術の発展に伴うグローバル化によって、社会のシステムは大規模・複雑化しています。さらに、企業など組織を取り巻く環境の不確実性が増加することにより、個人や社会の価値観も多様化しています。

この研究室では、これからの新しい時代に求められる問題解決法(ソリューション)にフォーカスして、生物の進化や情報処理のメカニズムに基づいた柔らかい計算や、機械学習(人工知能)に基づいたデータ分析や予測、およびシステム最適化の研究を行っています。そのほかにも、企業や他大学の研究室、外部の研究機関と連携し、共同研究を実施しています。
モノづくりの現場だけに限らず、観光・医療・健康といったサービス産業分野の問題解決にも積極的に取り組んでいます。

  • 研究分野

    オペレーションズ・リサーチ
    ヒューマンファクターズ(人間工学)
    システム最適化
    データ分析

  • 研究題目

    データの客観性と人間のもつ主観性を融合した最適化
    生産・物流システムの最適化とその応用
    機械学習に基づく異常検知データマイニング

  • キーワード

    オペレーションズ・リサーチ
    ヒューマンファクターズ(人間工学)
    システム最適化
    機械学習を用いたデータ分析や予測
    モノづくりの現場および観光・医療・健康などサービス産業分野の経営における問題解決法の研究

主な研究フィールド

食品分野FOOD

当研究室では、食品産業に関する研究を主要なテーマとして取り組んでいます。
アプローチの方法を変え、「食」に焦点を当てた多様な研究を展開しています。

食品分野

機械学習 ×「食」= 食品に関する需要予測

中食や外食産業では、人手不足や食品ロスが深刻な問題となっています。これらの課題を解決するために、食品ロスや販売機会の損失を減らし、効率的な製造プロセスを実現するための需要予測システムを開発しています。
具体的には、企業から提供された弁当販売データを分析し、料理の人気度や商品名、食材、調理方法などを活用した予測モデルを構築しています。
特徴量(データの指標)の改善を進めることで、高精度な需要予測を目指しており、生産ラインの最適化や食品ロス削減につながる成果を追求しています。

  • 具体的な研究内容
  • 料理の人気度を考慮した需要予測モデルの開発
  • 食材や調理方法に基づく予測精度の向上
  • 機械学習を用いた予測モデルの改善
  • 予測結果を活用した生産計画の最適化

数理最適化 ×「食」= 学校給食の献立作成と
スケジューリング

学校給食では、栄養基準や食材費、調理時間など多くの条件を考慮する必要があるため、献立作成には手間と時間がかかります。この研究では、数理最適化の手法を用いて、これらの条件を満たしながら効率よく献立を作成する自動化システムを開発しています。
具体的には、自治体から提供された給食のデータを基に、栄養素や味のバランスを考慮した料理の選択を行うモデルを構築しています。また、条件の自動生成や高速化アルゴリズムを活用し、現場で実用可能なシステムの実現に取り組んでいます。

  • 具体的な研究内容
  • 栄養基準を満たす献立の自動作成
  • 調理時間や食材コストの制約処理
  • 季節性や嗜好性を考慮した献立提案
  • メタヒューリスティクスによる解の探索効率化

観光分野TOURISM

観光分野

この分野では、人の動き(人流)データを解析し、観光施策に役立てる研究を行っています。
新型コロナウイルスの流行による行動の変化や、イベント開催時の人流の変化を分析し、観光地のマーケティングや施策の改善に活かします。

  • 具体的な研究内容
  • 人流データ解析から見える観光マーケティングの可能性
  • 新型コロナウイルス流行前後の来訪者行動の比較分析
  • 来訪者の居住地や目的に着目した回遊行動の調査
観光分野

自動車・航空機分野MOBILITY

自動車・航空機分野

自動車運転や航空機操縦での安全性向上を目的に、運転システムやインターフェースの改良に取り組んでいます。 自作のドライビングシミュレーターを使った実験で、進路変更のタイミングに関するデータやドライバーの性格特性との関連性を分析し、適応モデルの構築を進めています。

  • 具体的な研究内容
  • 個人の特性を考慮した運転支援システム設計
  • フライト中の外的要因によるパイロットの負担を予測する実験的研究
  • 間接視界映像を活用したコックピットインタフェースのデザイン改善
自動車・航空機分野

医療分野HEALTH
CARE

自動車・航空機分野

医療従事者の負担は治療やケアの安全性に直結するため、状況に応じた管理が重要です。ここでは、リアルタイムで負担を予測するモデルの開発を目指し、医療現場を再現したシミュレーション実験を実施しています。
生体情報や状況データを収集・分析し、ワークロード予測モデルの構築に取り組んでいます。

  • 具体的な研究内容
  • 生体情報を活用したリアルタイム予測
  • 病棟内の状況変化への対応
  • 人間工学に基づく負担の定量化
  • シミュレーション実験による検証
自動車・航空機分野

取り組みと成果

当研究室では基本的にすべての研究で企業や自治体、他大学・組織との共同プロジェクトに携わり、共同研究・技術検証を実施しています。
研究成果の社会実装にも日々精力的に取り組んでおります。

主な取り組み

  • 年間300万食を製造・販売する弁当会社との共同研究
  • 地方自治体や大手給食委託会社、管理栄養士養成大学の教授・学生との共同研究
  • 大手調理機メーカーからの協力・データ提供
  • 他大学(同志社大・早稲田大・慶応大・東都大など)との共同研究
  • 企業・自治体との共同研究における実現場での実証検証

実際の成果

  • ベンチャー企業Well-Fedを通じた技術の社会実装
  • 高精度な需要予測による食品ロスの削減
  • 自動献立作成システムによる栄養教諭の業務効率化
  • 人流データ解析に基づくマーケティング仮説の提案とサービス応用
発表論文・学会一覧を見る

研究室での学びの流れ

3年次

  • 前期

    「経営工学演習Ⅰ」週に 1 度のゼミで、システム最適化やデータ分析の現場で使われているプログラミング言語の基礎を学習します。

    内容 Python 言語の学習(基礎、データ処理、データ可視化、簡単な回帰モデル・分類モデル)
    機械学習の入門書の輪読・Python言語での実装、実データの処理方法の学習

  • 夏休み

    研究グループのゼミに参加し、テーマ候補についての調査を開始します。

  • 後期

    「経営工学演習Ⅱ」週に 1 度のゼミで、システム最適化やデータ分析に関するプログラミングや教科書の輪読をします。研究グループのゼミに参加し、先輩の助言を受けながら卒業研究に取り組む学生もいます。

    内容 機械学習の入門書の輪読・Python言語での実装
    実データの処理方法の学習、卒業研究に関する調査

4年次

  • 前期

    「卒業研究Ⅰ」週に1度のゼミや、各自の時間を使って卒業研究に取り組みます。

  • 夏休み

    各自の時間を使って、卒業研究に取り組みます。

  • 後期

    「卒業研究Ⅱ」週に 1 度のゼミや、各自の時間を使って卒業研究や学会発表に取り組みます。

活動実績

課外活動を通じて、学生たちは実践的なスキルや知識を深め、社会で活躍するための経験を積んでいます。

過去の活動実績

学位論文

2024年度

博士後期課程(博士課程)
博士論文
  • ベイズ推定による商品の人気度を考慮した弁当給食の需要予測
博士前期課程(修士課程)
修士論文
  • 財務分析の視点に基づく特徴量セットを用いたスタッキング手法による格付推計
  • 食材・調味料の分類に基づく料理の類似性を考慮した学校給食献立の自動作成
  • 数理最適化に基づく事業所給食の自動献立作成
学部
卒業論文
  • 社員食堂における料理・食材の提供頻度を考慮した自動献立作成
  • 運転支援システムの作動条件とドライバの運転行動との乖離が信頼感へ及ぼす影響
  • 衛生管理のための料理の作成順序を考慮した調理手順の最適化
  • 直近の食数水準と食数の差に着目した料理の人気度推定
  • 学校給食における料理の組み合わせ実績に基づく料理様式の自動推定アルゴリズム
  • 看護師チームの特性に基づく個人間のワークロードの偏りの分析

2023年度

博士前期課程(修士課程)
修士論文
  • カフェテリア方式を採用する食堂におけるベイズ推定に基づく商品の人気度推定
  • 商品名と食材・調理方法に基づく販売商品における料理の人気度推定
  • 大量調理における作業工程と調理手順の最適化問題に対する厳密解法
  • 学校給食の献立作成における料理・食材の提供頻度に関する制約条件の自動生成アルゴリズム
学部
卒業論文
  • 投融資関係とデータ不均衡性を考慮した機械学習による倒産予測
  • 商品の人気度変化と直近の出数傾向を考慮した販売周期のある弁当の需要予測
  • カフェテリア方式を採用する食堂における食数需要予測
  • 学校給食の献立最適化問題に対するタブー探索法を用いた近似解法
  • 大量調理スケジューリングにおける作業工程最適化
  • 個人の性格特性に基づくドライバのリスク認知の予測
  • みなとみらいにおけるCOVID-19発生による来訪者の行動変化の分析

2022年度

博士前期課程(修士課程)
修士論文
    料理・食材の提供頻度を考慮した日替わり弁当の献立最適化問題に対する近似解法
学部
卒業論文
  • 機械学習を用いた格付推計における業種・企業の異質性に関する解釈手法
  • 食材と味の多様性を考慮した学校給食の自動献立作成
  • 商品グループの階層性と販売商品の切り替わりを考慮した法人向け仕出し弁当の需要予測
  • 弁当の彩りと料理の類似度を考慮した日替わり弁当の自動献立作成
  • 多機能な調理機器を用いた調理の手順最適化

2021年度

博士前期課程(修士課程)
修士論文
    現場の様々な制約を考慮した組合せ最適化に基づく学校給食の献立作成
学部
卒業論文
  • 投融資ネットワークを用いた機械学習による企業格付推計
  • 自然言語処理を用いた学校給食における通常食からアレルギー対応食への置き換えの法則に関する研究
  • 区分的線形メンバーシップ関数を用いたファジィ数理最適化による学校給食の献立作成
  • 機械学習による仕出し弁当の需要予測における特徴量と学習データの生成法
  • 複数種類の弁当の人気度と時期による気温の影響の違いを考慮した機械学習に基づく仕出し弁当の需要予測
  • 料理の多様性を考慮した数理最適化に基づく日替わり弁当の献立作成
  • 色の組み合わせを考慮した数理最適化に基づく仕出し弁当の献立作成
  • 搬送作業を伴うジョブショップスケジューリング問題に対するクレーンの干渉を考慮した厳密解法

2020年度

博士後期課程(博士課程)
博士論文
    Soft Computing Methods to Support Inclusive Design for Speech-Language Impaired Individuals
博士前期課程(修士課程)
修士論文
  • XGBoostとクラス閾値の最適化を用いた企業格付けの研究
  • 状態空間モデルによる仕出し弁当の需要予測
  • 現場の様々な制約を考慮した数理最適化に基づく日替わり弁当の献立作成
学部
卒業論文
  • 株式保有関係を考慮した機械学習による企業格付の推計
  • アレルゲン食材を考慮した数理最適化に基づく学校給食の献立作成
  • 商品の人気度を考慮した仕出し弁当の需要予測
  • 調理方法・食材・提供頻度を考慮した数理最適化に基づく仕出し弁当の献立作成
  • QRコード決済における消費者の利用意向に影響を与えるテレビCMの分析

2019年度

学部
卒業論文
  • 仕出し弁当の売上数変動に影響を与える顧客・商品・外部環境に関する要因分析
  • Optimization of Railway Rolling Stock Assignment under Hierarchical Maintenance Constraints by a Branch-and-Price Algorithm
  • 経営工学科における無駄や不満の少ない学生と研究室のマッチング
  • 食事の期待感と予算管理を考慮した数理最適化に基づく学校給食の献立作成
  • ヨーグルト類のリピート購入に向けた消費者のターゲティングと効果のあるCMの特徴の分析

2018年度

学部
卒業論文
  • 点検業務における作業負荷の平準化を目的とした点検先の分割と巡回路の構築
  • 品質とロスの量を考慮した2目的のフードサプライチェーン最適化
  • 避難行動誘発のための錯視を用いたプロジェクションマッピング技術の検討
  • 時系列検査データの周波数領域を考慮したk最近傍法によるガラス基板の欠陥検出
  • 治療管理目標値を逸脱する人工透析患者の特徴に関するデータ分析
  • 人気タレントを起用したテレビCMの消費者への効果測定
  • 数理最適化に基づく調理現場の制約を考慮した多期間の学校給食献立の作成
  • 日本プロ野球における投手と打者の左右の相性に着目した統計的分析
  • 財務状況の経年変化を考慮した業界別倒産予知モデルの構築

2017年度

学部
卒業論文
  • 健康志向の消費者におけるCM理解度と広告効果に関する階層ベイズモデルを用いた分析
  • 勾配ブースティングを用いた企業の倒産判別モデル構築
  • 浄化槽点検における作業割り当てとスケジューリングの最適化
  • 環境負荷と品質を同時に考慮した対話型2目的コールドチェーン最適化
  • ファジィ数理計画とタブーサーチを用いた学校給食の献立作成
  • 複数台カメラを用いたプリント基板の経路最適化問題に対する妥当不等式の研究
  • 中小食品製造業におけるロットサイズ決定モデルを用いた対話型日程計画

2016年度

学部
卒業論文
  • 走査型半導体露光装置における移動順序最適化に対する巡回セールスマン問題に基づいた厳密解の導出
  • 先行順序制約付き巡回セールスマンモデルを用いたプリント基板の検査経路の最適化
  • 複数台カメラを用いたプリント基板の検査経路最適化
  • ファジィ数理計画に基づいた多期間の献立作成
  • 数理計画法とヒューリスティック解法に基づくガラス基板検査経路最適化
  • 機械学習を用いた企業倒産判別の研究
  • 中小企業における人事考課データの分析と人事考課制度の設計
  • 資源制約付きスケジューリングモデルを用いた2目的塗装順序最適化
  • 電気検査用センサーデータの解析によるガラス基板の欠陥検出

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